0◆子供の虫歯治療と定期検診

 痛い所を触られたりする事は、大人でもいやな(怖い)ものです。それが本能的にもさわられたくない口の中の場合にはなおさらです。 大人の場合は治療が必要な事を理解し我慢しますが、小さなお子さんは違います。いやなものはいや、怖いものは怖いのです。しかし痛くなってしまった虫歯を治療するには、やはりその歯に何らかの治療をしなくてはなりません 歯が痛いけれども、治療はされたくなくて大泣きしてしまう様子は容易に想像出来ます。頭の中が恐怖心でいっぱいになってしまう状態です。

 もちろん痛い歯は治療しなくてはなりませんが、お母さんには、歯科医院には痛くなってしまった虫歯を治療してもらいに来るというよりは、虫歯が出来ていないかどうか、見つけてもらいに来る 、というようなつもりでいらして下さいとお話しています。そのように来院して頂ければ、虫歯も小さいうちに発見出来ますし、痛みが出る前の状態であれば、何回か器具の練習をして徐々に慣れていってもらったりする事も出来ます。また 小さい虫歯は治療の範囲も小さく、治療時間も短くて済みます 。何よりも結果的にお子さん本人の負担が少なくてすみます。そして定期的な検診をお勧めします。治療してしまった歯を 再び虫歯にしない様にする事が肝心 ですし、もし仮に虫歯が出来てしまっても小さいうちに発見する事が出来ます。虫歯だけでなく咬み合わせのチェックなども行えます。何度か行ったことのある慣れている場所で、知っているお姉さんや先生がいて、治療も数回で終わってしまいます。恐怖心を出来る限り少なくして、安心して治療を受けられるようになるのではないでしょうか。


0◆「何もしない?」00

 歯科医院の待合室や診察室で子どもがお母さんにこう聞きます「何もしない?」って。お母さんは「何もしないヨ」と答えます。すると子どもは続けてこう聞きます「見るだけー?」と。お母さんはその問いにも「見るだけだよー」と答えます。お母さんのそのお言葉で不安だった子どもは安心します。問題はその後です。お母さんは出来てしまっている虫歯が本当に何もしないままで直るか、見るだけで終わるのかどうか知っています。ところが子どもはお母さんの言った事を信じています。せめて「今日は・・・」とか「はじめは・・・」という言葉を付けておいてくれればと思います。ささいな事の様ですが子どもにとっては重要なのです。そんなやり取りを聞いているような場合は、お母さんの話していた事が嘘にならない様に配慮して子どもと話をします。本当に見るだけで終わりにする事もありますし、レントゲンの写真だけ撮る事もありますが、痛みが出ているような場合はそうゆう訳にも行きません。あえて怖がる様なことを言う事もありませんが、結果的に嘘になってしまう様な事は、言わない様にして頂ければと思います。
 子どもはお母さんに絶対の信頼を寄せています。そのお母さんの言った事が嘘だという事になると、子どもは歯科医院という不安で一杯の状況で、もう誰を信用して良いのか判らなくなってしまい混乱してしまうのです。一人で診療イスに座ったり、泣かないで大きくお口を開いたり、大人にとっては何でもない様な事でも子どもにとっては一大決心なのです。治療に使う器具での訓練だけで終わる事もあります。そして終わった時に「痛かった?」とか「怖かった?」って聞くよりは「よーく頑張ったね!!」とうーんとほめて上げて下さい。お母さんにほめられてだんだん自信も湧いて来ると思います。


 ◆歯医者で注射?!

 待ち合い室で、「ちゃんということ聞かないと、先生に注射してもらいますよ!」とお母さんが子供に言う場面に遭遇することがあります。そんなことを言うのはやめてほしいのです。その時は効き目があるかもしれませんが、決して治療を安心して受けられるようにするためのアプローチにはならないのです。何よりも、必要もないのに注射をしたりはしませんし、普段そのように脅かしていると、本当に麻酔が必要な場合、子供が注射器を見たら、一体どんな反応をするか想像してみてください。ですから、お母さんには、注射を使って子供を脅かさないでくださいと言っています。
 小さい子には治療を受ける練習をしてもらいます。ほっぺたに「風さんだよーぴゅー」って風を当てたり、「掃除機さんだよー」といって、医療器具を手のひらに吸い付かせ、「ほらー吸い付いた、ペタッ」という具合に。「はいっ、上さん向いて(上にまで“さん”を付けたりして)」「電気さんピカッだよ」、場合によっては、自分で器具をもってもらってボタンを押してもらったりします。決して怖いところじゃないんだよ、ということを知ってもらい、できるだけ安心して治療を受けられるようにします。
 お母さんにしがみついて泣いていた子が、数回のうちにだんだん落ち着き、泣くのをやめ、自分で治療イスに座り、自分で「あーん」できるようになったりします。痛みのない状態なら、何回か練習しながら治療を進めていくことができます。逆に痛みのある状態では、何らかの治療をしなくては、痛みはおさまりません。大人でも痛いところを触れられるのはいやですから、子供ならなおさら。痛みが出たから歯科医院にかかるのではなく、その前に見つけて、虫歯も痛みのないうちに治してしまうということが、結局はお子さんの負担を軽くし、恐怖心なども小さくすることにつながると思います。


0◆フッ素って体に毒?000

 お母さんに虫歯予防のためと、歯の質を強くするためにも、お子さんの歯にフッ素を塗っておきましょうとお話すると、まれに「フッ素は体に悪いから塗るのはやめてください」と言われることがあります。

「それはどこかでお聞きになったのですか」

とお尋ねすると、よく分からないけれども何かでそう聞いたような気がするというお答えでした。確かに、フッ素は一度に大量摂取すると毒性があります。しかし、歯科医院で塗ったり、歯磨き粉やフッ素洗口液などに含まれているのは通常問題となるような量ではありません。それよりも、むしろ虫歯予防にかかわる効果が期待できるでしょうとお話しています。


 ひと言で言うと「フッ素には歯を丈夫にする 働きがあります」ということになります。使い方には、生えた歯に直接塗る方法(歯科医院などで行います)や、フッ素洗口液やフッ素入り歯磨き粉を使用する方法(家庭で行います)なとがあります。フッ素は歯のエナメル質と反応してフッ化アパタイトという耐酸性の強い層を作ります。虫歯は細菌が作り出す酸によって歯が溶かされて始まりますが、その酸に対する抵抗性が増し、虫歯に対して強くなるのです。
 また、フッ素にはごく表面の虫歯であれば、
一度酸で溶かされてしまった部分でも、再び修復して固めてしまう性質があります。このことを再石灰化と言います。さらには、フッ素そのものが細菌の活動を抑制する働きもあります。このような働きでフッ素は虫歯の予防に役立つのです。特に生えたばかりの歯は未成熟で、フッ素を取り込む力が旺盛です。この時期にフッ素を塗ってあげることは、より効果的と言われています。
 また、あごの中で歯が作られている時期にフッ素を食物などから取り込むと、歯のエナメル質が作られる過程で作用し、より強いエナメル質になることが知られています。もちろんフッ素を塗ったからといって安心してブラッシングをしなくなっては意味がありません。基本は歯磨きで、さらにフッ素を塗ることで大切な歯を守ることができるわけです。


0◆シーラントって何? 000

 歯科医院で行う「シーラント」という言葉をご存知でしょうか。フィッシャー・シーラントとか予防填塞(よぼうてんそく)とも呼んだりします。どのようなものかというと、まだ虫歯になっていない歯の溝の奥や小さな窪みをきれいに清掃し、プラスチックの液を流し込んで、汚れが入っていかないようにする事です。溝の奥などをふさいで(シールして)しまう事からこのような名前が付けられています。
 シーラントは予防的処置です。虫歯の始まりになり易い歯の細い溝や小さな窪みをあらかじめ埋めてしまう事により、虫歯が出来始める事を予防出来るというものです。特に6才臼歯(第一大臼歯のことで6才前後になると乳臼歯のさらに奥に出てくるのでこの名が付いています)は生え変わるのではなく一番奥に生え加わるため、気が付かないうちに出てきてしまい、気が付かないうちに虫歯にしてしまい易いのです。比較的ブラッシングの上手なお子さんでも、そこまでブラシが届かないため乳歯に1本も虫歯がないのに永久歯が出て来たとたんに虫歯にしてしまう事も少なくありません。この歯が少しでも顔を見せ始めたら、そこに1本はがあるつもりで仕上げ磨きの時に磨いてあげて下さい。はじめは歯肉が弁状になっていて出血しやすいですが、だんだんコリコリした健康的なピンク色になってき ます。そして咬む面が全部出てきたらシーラントをして上げましょう。
 この方法は
健康保険の適用にもなっていますし、予防効果も高いのでお勧め しています。歯を削って詰めている訳ではないので咬む力で磨り減って取れてしまう事もありますが、そのときは元々の自分の歯に戻るのでやり直す事が出来ます。
 6才臼歯ばかりでなく、生えてきた他の永久歯に対してもする事が出来、また溝の深い乳歯にもする事が出来ます。生えて来たばかりの歯にはフッ素塗布も効果的ですがシ一ラントも強い見方になってくれることでしょう。





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